今回は、PB TAIL 「Crush Meta - Silver Ghost」のレビューになります。
これまでGALEやVader4 ProといったFPSなどの対戦型ゲームで活躍するコントローラーをいくつか使用してきましたが、今回のCRUSHは、それらとは全く違う方向で誕生したコントローラーとなっています。
株式会社アーキサイト様よりお声を掛けていただき、商品提供を受けています。
レビュー機会を頂きまして、本当にありがとうございます。
忖度なしに素直なレビューをしたいと思います。
PB TAILSについて
2020年に設立されたゲーミングテクノロジーのスタートアップカンパニーで、とてもユニークなデザインのコントローラーを開発しているメーカーです。
PBは「Play Best」の略で、TAILSには「自分らしく」的な意味が込められている?ようです。(少し私の解釈が入っています) 公式サイトでご確認ください⇒ Why PB Tails?
独自性を大切にしているメーカーのようですね。
▼メーカー公式ウェブサイト▼
スペックとコンセプト
CRUSH Silver Ghost - PB Tails - PC向けワイヤレスゲームパッド - 株式会社アーキサイト
ブランド | PB Tails(ピービ―テイルズ) |
---|---|
商品名 | CRUSH Silver Ghost |
型番(JAN) | PB-WBC03-GH(6973901120549) |
ボタン配列 | PC向け |
接続方式 | Bluetooth 5.0 |
対応モード | X-INPUT/ D-INPUT |
振動機能 | あり(振動レベル調整はスイッチ接続時のみ有効) |
内蔵電池 | リチウムイオンバッテリー 860mAH |
電池寿命 | 最大10時間 |
加速度センサー | あり |
6軸ジャイロセンサー | あり |
付属品 | USBタイプC充電用ケーブル |
本体材質 | メタル |
本体サイズ(縦×横×高さ) | 約 103×156×95mm |
本体重量 | 約 348g |
梱包サイズ(縦×横×高さ) | 約 167 x 206 x 90mm |
梱包重量 | 約 657g |
対応機種 | PC、Steam、Switch、Android、iOS、Raspberry Piなど ※PlaystationやXboxシリーズではご使用いただけません。 |
保証期間 | ご購入日より1年間 |
生産国 | 中国 |
希望小売価格 | オープンプライス |
コンセプト
純粋なゲーム、純粋な情熱
完璧さへの情熱から生まれた PB Tails は、あなたのゲームライフに妥協のない存在であり、プレイのあらゆる瞬間にデザインと質感を吹き込みます。PB
Tails のデザイン哲学は、純粋で途切れることのないラインと、ネジが見えないシームレスな構造に重点を置いています。すべての曲線は意図的で、すべての角度は目的があり、真にミニマリストなゲーム体験のために必要なもの以外はすべて排除されています。
シンプルなコントローラーで、夢想家の目に想像力の光を灯すことを目指しています。
私の関西弁翻訳もどうぞ。
無駄な機能は付けまへん!
ミニマリストのための、上質で完璧なコントローラーを作ってますねん!
計算されたこの流線美なんか見たら、感動して腰抜かしよるで!
という感じです。すいません。
ポルシェ550スパイダーからインスピレーションを受けたデザインになっているようです。なるほど。かっこいい。
開封と中身
箱・パッケージ
同梱物
本体、ケース、交換用凹型スティック、USBケーブル、クリーニングクロス、取扱説明書
無線ドングルは同梱されていません。
⇒「本体自体は技適取得をしているが、無線ドングルは技適未取得であるため日本仕様にしている」とのことです。
本体
外観
これでもか!というほどのメタル感。
各ボタン、スティックなどパーツすべてがメタル仕様。
(スティックへの映り込みがやばいので、角度をつけて撮っています。)
映り込みがやばいので、交換用の凹型スティックに変更しました。
背面
背面には何もボタン類はなく、トリガーストップもありません。
ネジ穴が全く見えない、スベスベ筐体。美しい仕上がりです。
トリガー周辺
上部はこんな感じ。トリガーの押し心地も悪くないです。
プレートの取り外し
プレートを取るとメカメカしさがあらわに。
左側のグリップ部分に、技適認証番号が印字されていました。(次の画像)
国内でのワイヤレスでの利用は可能ですが、Bluetooth接続のみ。
メタルプレートの加工精度はやばいですね。
バリなどは見受けられず、非常に美しい仕上がりです。
裏面は少し汚れがありますね。
後に送ってもらった交換品は一切汚れがなくピカピカだったので、サンプル品ということなのでしょう。おそらく。↓交換品
このメタルプレートをダメージ加工した「Crush Defender」というモデルも販売されていて、がめちゃくちゃカッコイイ!トランスフォーマーの映画に出てきそうです。
ちなみにこのモデルではTMRスティックが採用されているようです。最先端と見た目のギャップ!
Metal Crush Defender Battle-Damaged Controller With K-Silver TMR Joystickswww.pbtails.com
メタルプレートの重さは118.0g
総重量(凸スティック装着)が352.6gですから、プレートだけで1/3の重さがあるわけですね。
プレートを外した本体重量は234.6gになりますね。フルメタルを謳っていますが、ガチメタルはプレートのみで、背面シェルはメタルカラーという具合です。ガチフルメタルは流石に電波に干渉するでしょうから。
スティック
スティックのデザインにもこだわりが感じられますね。
需要はないとは思いますが、Xbox用のフリークを付けることが出来ました。PS用はブカブカです。
スティックはホールエフェクトスティック。K-SILVER製は確かT4 Kaleidでも使われていましたね。ドリフトが起きにくく、かなり精度が高かったスティックだった記憶があります。
ファームウェア・ソフトウェア
ファームウェア
最新のファームウェアのダウンロードはこちらから。
アップデート方法も書かれています。
ソフトウェア
専用のソフトウェアは用意されていません。コントローラー単体で設定します。といっても、公開されているコマンドで設定できるのは、RGBライティングの設定のみです。
RGBライティングの設定
【RGBライト】「Tボタン」&「左スティック」
【ロゴ/ABXY】 「Tボタン」&「右スティック」
【カラーリセット】 「Tボタン」&「十字キーいずれか」
【明るさ調整】「Tボタン」&「+」or「-」
※音無し動画です。
公開されていないコマンド
【キャリブレーション】
①ペアリングボタンを押して電源をオフ。
②電源がオフの状態で、白いライトが点滅するまでホームボタンとTボタンを押し続ける。
③平らな場所に置き、ジョイスティックをゆっくりと数回回転させる。
④ホームボタンを押して、赤と青のライトが点滅すれば完了。
(PB TAILSのサイトでは公開されていません。この記事作成時に、私がスティックのドリフト現象で困っているときに、アーキサイトの担当者さんがメーカーに問い合わせて聞いてくれました。現在はアーキサイトさんのページにも表示されています。)
んーめちゃくちゃ大事なコマンドを公開してないってどうゆこと?笑
デッドゾーンの設定について
いわゆるデジタルデッドゾーンの設定に関してです。
最新のファームウェア2.08バージョンにアップデートすると、デッドゾーンを切り替えるコマンド【「T」&「+」&「-」を3秒押し】が使用できます。
TMRスティック搭載機種専用のファームウェアで、ホールエフェクトスティック搭載機種には互換性がない
とPB TAILS公式サイトには書かれています。
CRUSH METALはホールエフェクトスティックなので、対象外のはずなのですが、ファームウェアは無事適応することができました。
デッドゾーン設定コマンドで、明らかに挙動が変わります。
※音無し動画です。
デッドゾーンを0に出来ていると思うのですが、どうなんでしょうね。公式は対象外と言っていますが。
そこまで競技性の高いゲーム向けのコントローラーではないので、あまり重要ではないかもしれませんが、何となくハッキリしない気持ち悪さはありますね。
使用感レビュー
デザインとホールド感
丸みを帯びた流線型デザインでとても滑らかです。手触りはツルツルではなくスベスベ感。意外とグリップが効くので、手が滑って困るということはなかったです。
背面にはボタン類が一切ないので、中指から小指までの3本の指でしっかり固定して持つので安定しますね。
私はあまりやらないですが、モンハン持ちも可能です。
各種ボタン
すべてのボタンはメタル仕様ですが、どのボタンも従来コントローラーのような、メンブレンの押し心地です。
ABXYに関しては、「カチャカチャ音」が気になりましたね。
それから、本体自体を振っても「カチャカチャ音」がするのも気になりました。
⇒本体の「カチャカチャ音」は上部のペアリングボタンとモードセレクトスイッチが微妙に動くのが原因でした。
⇒交換品では、動画にあるXボタンと、本体を振ったときの「カチャカチャ音」はほぼ出なかったので、サンプル品と製品版との違い、または個体差だと思われます。
スティックについて
キャリブレーションは絶対したほうが良いです。マスト事項。
最初、ドリフトしまくって「なんじゃこりゃー」状態で、さらに「キャリブレーションもできないってどうゆこと!?」とかなり萎えていましたし、担当者さんに初期不良の連絡をして、交換品も送ってもらっていましたから。
キャリブレーションしてからは、ちゃんと問題なく使用できました。
精度も良く、スティック操作は滑らかです。ポーリングレートも500Hzということで、十分ですね。
ホールエフェクトセンサーの最も大きなメリットは耐久性です。
このホールエフェクトセンサーが登場して間もない頃、謳い文句はドリフト現象が少ないことよりも、耐久性に優れていることを売り文句にしていた記憶があります。
この上質なコントローラーに採用されたことは、長く使っていく上での良い選択肢であったと思います。
もちろん現時点で耐久性について評価することはできませんが、期待値としては高いと思います。
使った感想
特に目立って悪いところはなく、悪くいえば普通、良く言えば安心して使える、といった感じですね。
目立った機能はないですが、ホールエフェクトスティック搭載のスタンダードコントローラーとして、完成度がとても高いと思います。
リビングなどでゆったりとゲームをするのに向いていると思います。そういう意味で、プレイステーションやXboxに対応していていないのは、少しだけ勿体なさを感じますね。
まとめ
良かったポイント
- デザインが秀逸
- 質感の高さ
- 所有欲を満たす高級感
- ホールエフェクト搭載(耐久性が高い(はず)
微妙だったポイント
- 専用ソフトウェアが無いこと
- 2.4Ghz無線の技適未取得
- 公開されているコマンドが少ない
個人的な希望としてですが、どうしても思ってしまいます。
「背面ボタン付いてたらなぁ」と。
この品質で背面ボタンが付いていたら鬼に金棒ですよ。まぁでも、そういうものは目指していないメーカーですからね。妄想だけにしておきます。
ということで、今回はPB Tails「CRUSH Metal Silver Ghost」のレビューをしてきました。
このコントローラーの評価ポイントはやはりコンセプトです。
機能をてんこ盛りにするのではなく、シンプルな機能のまま、デザインと素材に拘った上質なスタンダードコントローラーであることがストロングポイントです。このコンセプトに対する考え方で、このコントローラーの評価は分かれるでしょうね。
スシローも美味しいですけど、大将が握ってくれるような寿司屋はもっと美味いです。そんなイメージですね。同じ寿司屋でもジャンルが違うという感じです。
何も特別な機能のないコントローラーで、1万円を超える価格設定は高く感じるかもしれません。
ですが実際に触ってみると、十分にその価値を感じさせるプレミアムなコントローラーに仕上がっていたと思います。私はこのコントローラーで、まったりとドラクエⅢをやるのが楽しみになりました。
このコントローラーを見るたびにメタルスライムを狩りたくなるでしょうね。
気になる方は是非チェックしてみてくださいね。